遺留分(割合や行使や放棄について)

遺留分とは

遺留分とは、民法が定めた「一定の相続人に最低限の遺産を受け取ることを認めた権利」のことをいいます。

例えば、亡くなられた旦那様が遺言書などによって「全財産を友人のAに遺贈する」などとしてしまった場合であっても、残された配偶者や子などの相続人は「遺留分」を受け取ることによって、生活の安定をはかることが可能になります。

 

遺留分の割合

遺留分の割合は、相続人が亡くなった方の直系尊属だけの場合は遺産の3分の1、それ以外については2分の1となります。(民法1024条)つまり、亡くなられた方の兄弟姉妹には遺留分は認められていません。

ちょっとピンときにくい話ですよね。

平たく言えば、「亡くなった方の配偶者や子供、両親が相続人となる場合には、いくらかの財産を受け取る権利がある」という事です。ただし、その「いくらか」といった具体的な金額については、亡くなられた方が生前にしていた贈与行為や、相続発生時の負債(マイナスの財産)なども考慮しなければ算出することはできません。

遺留分の行使

もし、自分の遺留分が侵害されているという事に気づいた時には、「遺留分侵害額請求権」といって、「遺留分を侵害しているので、その分のお金を支払ってください。」と請求することが認められています。(民法1046条)

なお、近年の相続法改正によって、遺留分の請求はお金の請求のみ可能となり、遺産そのものを返してもらうことを請求することはできなくなりました。

この請求は、遺留分の侵害に気づいた時から1年(気づかなかったとしても相続開始から10年)経つと行使することができなくなると定められています。

遺留分の放棄

さて、遺留分についてはなんとなく「取られた話・取り返す話」のようになってしまいましたが、家族の話し合いによって「遺留分については行使しないよ」という約束をすることもあります。

口約束だけでも大丈夫な場合もあるでしょうが、その約束をより確実に、より安心にするため「遺留分の放棄」ということも認められています。まだ相続が開始する前に遺留分を放棄するには、家庭裁判所へ許可の審判を申立てることになります。生前の遺留分の放棄については、遺言書の作成などの生前の相続対策と併せて行われることが多いです。